錦織圭、4年8か月ぶりフェデラー撃破の理由は「読み」と「強打」(スポーツ報知)

◆日東電工ATPファイナル第1日(12日・ロンドンO2アリーナ) ▽1次リーグB組錦織圭2(7―6、6―3)0R・フェデラー

 【11日=大和田佳世】世界ランク9位の錦織圭(28)=日清食品=が同3位で6連敗中のロジャー・フェデラー(37)=スイス=から4年8か月ぶりの勝利を挙げた。1次リーグ(L)B組初戦で対戦。互いにミスが多い難しい展開で第1セットをタイブレイクで6ポイント連取で先取。第2サーブの工夫と、ピンチを招く前に立て直す危機回避能力で難敵に競り勝った。日本時間13日午後11時以降開始の第2戦でケビン・アンダーソン(32)=南アフリカ=と対戦する。

 2年ぶりの大舞台で錦織が大きな1勝を手にした。ここまで4年8か月、6連敗していたフェデラーをストレートで破った。互いにミスが多く好ラリーの応酬とはいかなかった。それでも落ち着いた表情で、何度も繰り返した「勝てたことは大きい」という言葉に全てが詰まっていた。

 勝因は戦略の変更にある。マスターズ大会の上海、パリと2試合続けて完敗。「何かを変えなくては」と第2サーブを変えた。主に使うのはスピンをかけ中央へ入れるイン率を重視したものだが、サイドライン際の深い位置にも打ち込み狙いを散らした。第1セットは第1サーブが47%と苦戦しながら第2サーブ得点率71%でカバーした。

 勝負所のしぶとさも光った。第1セット5―6の第12ゲームは自らのミスで0―30になったが、バックハンドの強打で流れが傾くのを阻止。15―30で強烈なリターンをネット前でギリギリ拾い、ライン上に落ちるラッキーも味方につけた。第2セット1―1の第3ゲームもダブルフォルトが出て15―30に。クロスに対するアウト判定にチャレンジ(映像判定を求めること)し、覆した。ジュースにはなったがキープに成功した。

 ラリーでもバックハンドの高い位置を狙いミスを誘い、勝利が見えても集中力を保った。勝ちを意識しすぎて力を発揮できないような場面は全くなかった。試合後は「あんまり明かせることない。彼がベストの時でも使える戦術、しっくりきたところはあった」と話すほど手応えがあった。

 37歳にして今季は全豪オープンを制し世界ランク1位にも返り咲いたレジェンドへの尊敬はある。「テニスが誰よりも見ていて面白い。それは今でも変わらない」。その一方でネットを挟めば敵になる。「アイドルとだけ見ていたフェデラーとは違う。勝てない相手じゃない」と闘志をたぎらせた。だからこそミスを連発し本調子ではない状態を前にして「勝たなきゃいけない試合」と言い切った。

 入場時に歓声の大きさを測る演出では、錦織98デシベル、フェデラー103デシベル。それでも価値ある1勝を挙げた。過去4大会で初戦勝利の14、16年はいずれも4強入りしている。自信を胸に勝てば1次L突破の可能性もある第2戦に臨む。

 ◆1次Lの順位 各組上位2人が準決勝に進む。順位は勝利数が多い順(同じ場合は出場試合数が多い方が上)で決まる。勝利数で2人が並ぶ場合は直接対決の結果、3人が並んだ場合は〈1〉出場試合数〈2〉セット取得率〈3〉ゲーム取得率〈4〉世界ランキングの順で順位を決める。現在1勝0敗でB組首位タイの錦織は、次戦で《1》アンダーソンに勝ち、フェデラーがティエムに勝つ。《2》アンダーソンにストレート勝ちし、ティエムがフェデラーにフルセット勝ちする、のどちらかで準決勝進出が決まる。

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